一次証拠審査をすり抜ける違法アプリ広告

YouTube広告のスマホゲーム「呼吸法修練」が『鬼滅の刃』のキャラクター・画像を使用している

公開 更新

YouTubeで配信されているスマホゲーム「呼吸法修練」の広告と App Store の掲載ページが、アニメ『鬼滅の刃』のキャラクター・場面写真を前面に使っている。開発元は既存の公式ゲームの配信元とは異なる。

名指ししている対象

公的発表または自己検証した一次証拠がある場合に限り記載しています。

  • アプリ名:呼吸法修練
  • 業者名:JOINLUCK CORPORATION LIMITED — App Store の掲載ページ上の「デベロッパ」表記。

YouTube アプリのフィードに、スマホゲーム「呼吸法修練」のスポンサー広告が表示された(2026年8月29日時点で確認)。 広告と、そこから遷移する App Store の掲載ページの両方が、アニメ『鬼滅の刃』のキャラクター・場面写真を 前面に使っている。以下は、確認できた事実を根拠のレベルを明示して報告するもの。 掲載する画像は、問題の広告・掲載ページを報告・検証する目的での引用として示す。

事例紹介

YouTube 広告

問題の広告のスクリーンショット(2026年8月29日取得・引用)。見出しは「自分だけの鬼狩り冒険を始めよう|呼吸法修練」、表記は「スポンサー・無料」。

広告の動画には、『鬼滅の刃』の主要キャラクターと思われる人物や、和風の剣戟シーン、 「本日発売!」の文字、「ザ・ゲーム・アワード 2026」「RPG」「TGA」「DICE」等と記された 受賞バッジ風の意匠が使われている。

広告のバリエーション

同じアプリの広告は 1 種類ではなく、複数のクリエイティブが配信されている。 確認できた別の 4 種類は、それぞれ『鬼滅の刃』の別のキャラクターと思われる人物を使い、 「本日リリース!」と受賞バッジ風の意匠が共通している。広告見出しは 「エピック級のアニメRPG|呼吸法修練」、説明文は「今すぐダウンロードして、専用報酬と確定SSRキャラをゲット!」。

確認できた別の広告クリエイティブ 4 種類(2026年8月29日取得・引用、2×2に並べたもの)。

App Store の掲載ページ

App Store の掲載ページのスクリーンショット(2026年8月29日取得・引用)。

掲載ページでは次の情報が確認できる。

  • アプリ名:呼吸法修練
  • デベロッパ:JOINLUCK CORPORATION LIMITED
  • カテゴリ:ゲーム/年齢制限 4+/アプリ内課金あり
  • スクリーンショットに『鬼滅の刃』のキャラクターや「大正時代」等の意匠
  • 「評価とレビュー」は「概要を表示するには評価件数やレビュー件数が不十分です」と表示

確認できること・できないこと

  • 確認できること(一次証拠) — 複数の広告クリエイティブと掲載ページが実在し、いずれも『鬼滅の刃』の意匠を前面に使っていること。 デベロッパ表記が「JOINLUCK CORPORATION LIMITED」であること。広告に「公式」の表記は確認できないこと。
  • 確認できないこと — 権利者(原作・アニメの権利元)からの許諾の有無、権利侵害にあたるかどうかの法的評価。 本件について権利元の見解は確認できていないため、ここでは断定しない。

公式のゲームとの違い

『鬼滅の刃』のゲームは、アニプレックスが関わる形で提供されている(「ヒノカミ血風譚」「同2」「目指せ!最強隊士!」、 スマホ向けの「血風剣戟ロワイアル」など)1。 「JOINLUCK CORPORATION LIMITED」はこれらの配信元とは異なる名義である。

同種の広告・アプリについて

著名作品のキャラクターを使ったスマホゲームの広告は、以前から繰り返し報告されている。

  • 集英社は、別のゲームアプリ(『Top Heroes』/River Game HK Limited)の動画広告に 『鬼滅の刃』の禰豆子に酷似したキャラクターが登場した件について、 「一切の関係はございません」と関係を否定している2
  • 『呪術廻戦』では、素材を無断使用したゲームアプリ(「呪術覚醒」など)について製作委員会が 「一切許諾しておらず、かかる行為は著作権を侵害する行為に該当する」「厳正に対処する」と注意喚起している3
  • 「鬼滅の刃 パクリゲー」として、X・YouTube・まとめサイト上に多数の報告がある4。 個別の内容の真偽は保証しない。

これらは「呼吸法修練」そのものについての言及ではないが、同種の広告・アプリに対する 権利元・製作委員会の姿勢を示すものとして参考になる。

手口の類型

  • 著名作品のキャラクター・画像をそのまま使い、公式または公式許諾を受けたゲームと受け取られやすい構成にする
  • キャラクターを差し替えた複数のクリエイティブを同時に配信し、露出を広げる
  • 実在する賞(The Game Awards 等)を思わせるバッジ風の意匠を複数並べ、受賞歴があるかのように見せる
  • 「本日発売!」「本日リリース!」「確定SSRキャラ」など、いま始めるべきだと思わせる文言
  • YouTube の広告審査・App Store の掲載審査を通過して配信されている

見分け方(今回の事例から)

  • 配信元の名義を確認する — 既知の公式タイトルの開発・配信元(ゲーム会社、アニメの権利元)と一致するか。 一致しない場合、公式または許諾済みとは限らない。
  • 受賞バッジの実体を確かめる — 賞の名称・年・部門で検索し、実際に受賞歴の告知があるか。 実在する賞のロゴを流用しているだけのことがある。
  • ストアの評価・レビュー — 件数が極端に少ない、または「不十分」と表示される新規アプリは、 広告の露出に対して実績が伴っていない。

補足

権利侵害の疑いがある広告・アプリは、各プラットフォームの通報窓口(YouTube・App Store の 「報告する」機能)や、権利元の問い合わせ先から報告できる。

Footnotes

  1. 「鬼滅の刃」ゲームプロジェクト公式ポータル(© Aniplex Inc.)。サイトを見る

  2. 女性自身「『やば過ぎてドン引き』中国企業の人気ゲームアプリの動画広告に『鬼滅の刃』禰豆子そっくりのキャラが登場…集英社は『一切の関係はございません』と全否定」(2024年12月19日)。対象は別アプリ(『Top Heroes』)。記事を読む

  3. ITmedia NEWS「『呪術廻戦』の“パクリゲー”出現で製作委員会が注意喚起 素材の無断使用に『厳正に対処する』」(2025年12月25日)。対象は別作品・別アプリ。記事を読む

  4. 「鬼滅の刃、パクリゲーが多すぎる」(animanch のまとめ)。第三者の投稿の集約であり、個別の真偽は保証しない。まとめを見る

確認した一次証拠

一次証拠その他(2026.08.29 取得)

YouTube アプリのフィードに表示されたスポンサー広告。『鬼滅の刃』の主要キャラクターと思われる人物や和風の剣戟シーン、「本日発売!」、および「ザ・ゲーム・アワード 2026」等と記された受賞バッジ風の意匠が使われている。広告見出しは「自分だけの鬼狩り冒険を始めよう|呼吸法修練」、表記は「スポンサー・無料」。

一次証拠その他(2026.08.29 取得)

同じアプリの別の広告クリエイティブ 4 種類。それぞれ『鬼滅の刃』の別のキャラクターと思われる人物を使い、「本日リリース!」、および「ザ・ゲーム・アワード 2026」「RPG」「TGA」「DICE」の受賞バッジ風の意匠が共通して使われている。広告見出しは「エピック級のアニメRPG|呼吸法修練」、説明文は「今すぐダウンロードして、専用報酬と確定SSRキャラをゲット!」。

一次証拠アプリ(2026.08.29 取得)

App Store の掲載ページ。アプリ名「呼吸法修練」、デベロッパ「JOINLUCK CORPORATION LIMITED」、カテゴリ「ゲーム」、年齢制限 4+、アプリ内課金あり。スクリーンショットに『鬼滅の刃』のキャラクターや「大正時代」等の意匠。「評価とレビュー」は「概要を表示するには評価件数やレビュー件数が不十分です」と表示。

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